「ゆうまる」へ
いつだったか、定期的に訪れる孤独感に襲われて、固定くんに寄りすがろうとした。
スカイプのアカウントは削除していたけれど、まだツイッターのアカウントは残っていた。
前に「家にいるのは1人じゃない」って言われた時、めちゃくちゃ悲しくて、復讐したくて、向こうにも悲しませたくて、それからSNSでは彼の名前を使った。
これで自分の気持ちも落ち着くかなって思っていたのに……。
ツイッターのアカウントを消さなかったのは、また彼と話したくなった時の唯一の手段だったから。向こうが更新していないのは知っていたし、使っていない可能性があることは分かっていた。
でも、どうしても、話したくて。あまりに怖くて、ムカついて、勢いで切ってしまった電話の、続きが聞きたくて。
DMでメッセージを残した。
数日後に、返事がきた。
彼はそれまで一度も更新していなかったのに、何回もツイートするようになっていた。
(今思えば、私に何か訴えていたのかな……)
「一緒に暮らしている人」のことをどうしても聞きたくて、何度も聞いた。何度も誤魔化された。結局、何も分からなかった。
仕事がピークでイライラしていて、つい、彼のせいにしてしまった。
「もう関わらないようにする」と言われ、そのメッセージを確認した時にはすでに、彼のアカウントは消されていた。
これで、もう終わり。
もう何一つ、彼との連絡手段は残されていない。
本当は、話したいこといっぱいあるよ。仕事うまくいってるよ、とか、吉岡里帆が最近よくテレビに出てるよね、とか。写真を送った時の反応が、いつになくリアルだったよね、とか。
他愛のない話さえ、できなくなってしまった。
私の一言のせいで。
どうしていつもこうなんだろう。
もう一度、話したい。謝りたい。
その言葉さえも、彼は求めていないだろうけど。